昨今の社会情勢の影響もあり、2020年の7月現在の内定率は4年ぶりに8割を下回ったというデータも発表されています。会社説明会が中止になったり採用スケジュールが大幅に遅れたことも原因の一つとされていますが、このような状況の中でも自分の希望する企業を見つけて、できる範囲で就活を行わなくてはいけません。
イレギュラーなことも多く発生していますが、まだ内定をもらえていない人でもおすすめの受付事務のお仕事をご紹介します。
受付は様々な業界で活躍することができますが、一般的にイメージするのはオフィスの受付ではないでしょうか?企業の「顔」として、来客対応や事務作業、会議室の手配などの総合受付を行うことが主な仕事内容となるため、接遇スキルや高いコミュニケーション能力が求められます。
また大手の企業の場合は1日を通して来社される方も多く、仕事量は多い傾向にあるでしょう。グローバルな企業であれば語学力が必要となることもあります。
オフィスの受付は基本的に土日休みで、有名企業や大手上場企業であれば福利厚生が充実しているところも多く、賞与をもらえることもあります。新卒でも安定した収入を得ることができ、またビジネスマナーなども身に付くのでメリットとなる部分が多いでしょう。
美に興味がある人はエステサロンや美容院での受付がおすすめです。仕事内容はお客様の対応や予約管理、電話応対、会計や事務作業、エステティシャンや美容師のサポートを行うこともあります。
美容業界の受付は、明るく笑顔でお客様への接客をすることが基本ですが、身だしなみも整えることが求められます。サロンや美容院の雰囲気によって髪色やメイク、服装などは異なりますが、清潔感を意識した身なりを心がけなくてはいけません。
エステサロンや美容院の受付は、お客様への施術を行うことはなくても、常に華やかで美意識の高い人たちと働けます。サロンによっては無料で脱毛が受けられたり、通常より安くヘアカットを受けられる場合もあるため女性にとってはうれしい待遇ですよね。
また女性が活躍する業界でもあるため、結婚や出産をしても働きやすい環境が整っているところが多いでしょう。給料以外にも福利厚生の充実度や、女性が長く働ける条件が揃っているかは就活の際に必ずチェックしておきましょう。
カーディーラーやモデルルーム、住宅設備メーカーのショールームの受付もあります。ショールームの受付もお客様対応がメインですが、アンケートの記入をしてもらったり簡単なご案内などをすることも求められます。お客様へのお茶出しや店内の清掃や備品管理、事務作業なども仕事内容となるため、細やかな気配りができる人が向いているでしょう。
たいていは受付を済ませたお客様は営業に引き継ぐ流れですが、やや専門的な知識が必要となることもあるので、働きながら業界の知識を学ぶようにしましょう。
またショールームは土日にお客様が多く来店されるので、休日は平日の場合がほとんどです。客層はハイクラスなお客様やご年配のお客様を対応することもあるため、柔軟な対応力が身に付くでしょう。
クリニックの受付は、美容クリニックや美容皮膚科、歯科医院、総合病院に至るまで、様々なジャンルのお仕事があります。クリニックでは保険の知識も必要になるので、始めは覚えることに苦労するかもしれませんが、身に付けてしまえばこれから先活かすことができるスキルとなるため、それが自分の強みとなるでしょう。また医療機関用のパソコンを使用するため、これらの使用経験がある人やタイピングが速い人は採用に有利になるでしょう。
クリニックは高月給のところも多いので、スキルを身に付けて安定した収入を求める人は就活の候補に入れてみてはいかがでしょうか。
ショッピングセンターや百貨店のインフォメーションも受付として活躍できる場所です。インフォメーションは買い物に行った際に一度は利用したことがある人も多いと思いますが、親切で丁寧な対応をすることが求められます。
施設の案内や館内放送をしたり、迷子の子どもを預かることもあるため、常に臨機応変な対応が必要な仕事といえるでしょう。
また華やかで洗練された雰囲気の中で仕事ができるため、良い緊張感を持って働くことができます。リーダーを任されたり責任感のあるポジションになれば、給料も上がってキャリアアップを目指すことも可能となるでしょう。
内定がまだもらえていない人は、焦らず一から準備をしていきましょう。まず面接の前段階ともいえる、エントリーシートや履歴書の準備。エントリーシートや履歴書でありがちな失敗としては、尋ねられている設問に対し、「的確な回答ができていない」「内容が薄い」「就活の軸がよくわからない」といったミス。この段階でマイナスの印象を与えてしまうと書類選考の時点で落とされてしまいます。
また「写真のサイズが合っていない」「誤字脱字が多い」「説明が長くて何が言いたいのか伝わらない」という基本的な部分にも注意しましょう。ミスに気付かずにいると、毎回それらのことが原因で選考を見送られてしまうので、エントリーシートや履歴書の基本的な記入の仕方や志望動機、自己PRを明確にしておくことが大切です。
面接では、「なぜこの仕事をやりたいのか?」「どんな活躍を期待できるか?」という点をチェックされます。またその人の人柄や雰囲気、受付事務ならコミュニケーション能力の有無や一般常識などもジャッジされる部分です。
これらの点を踏まえ、面接を受ける前には入念に対策をしておきましょう。面接で想定される質問をいくつかピックアップし、その質問に適した返しができるように、イメージトレーニングをしておくと安心です。
また受付事務では所作や身だしなみも意識しなくてはいけないため、入退室の際の一連の流れや所作、服装や髪型なども気を付けるようにしましょう。
面接を終えたら、改善するべき点や反省点などをもとにブラッシュアップをして、次の面接対策へとつなげるようにしましょう。
就活で肝心となるのは自己分析です。自己分析をすることで「長所・短所」「企業選びの軸」「今後の目標」など自分自身を客観的に見ることができたりやりたいことが明確になるため、面接での自己PRの時に役立ちます。
自己分析は、自分のこれまでの歩んできた人生を振り返る「自分史」を作成すると良いでしょう。頑張ったことや印象に残っているエピソードなどを年齢ごとにいくつか書き出します。そこから、その時の自分の「うれしい」「悔しい」などの気持ちや感じたことを掘り下げて考えてみましょう。そうすると自分の良い部分や苦手な部分、強みと言える部分が見つかるはずです。
自己分析のポイントは、具体性と疑問を持つこと。ざっくりとしたことではなく誰もがイメージできるような具体的な内容であることと、「なぜそう思ったか?」という疑問を持って掘り下げることで、自分の考えややりたいことなどが見つかるようになるからです。
希望する業界や企業のことがリサーチ不足であると、内定がもらえない要因となります。「受付事務はどんなジャンルがあり、どんなことをするのか?」「この企業の理念やコンセプトは何か?」という基本的なことは調べたりインターンシップへ参加するなどして、積極的にその業界や企業を知る姿勢が大切です。
これらのことを怠っていると、企業の求める人材に適さなかったり、もし運よく内定がもらえたとしても知識不足のまま入社することになるので、思い描いていた理想とは違い、退職をすることにもなりかねません。そのため業界・企業研究は、就活には欠かせないことといえるでしょう。
晴れて内定をもらったのに、気分が冴えなかったり不安な気持ちになってしまうのは就活生にはよくあることです。そのような状態を「内定ブルー」と呼ぶこともありますが、もし自分がそうなってしまった時は、一人で抱え込まず周りの人に相談をしてみましょう。
もし社会人になることが不安なら、その業界で働く人や先輩に相談をすれば良いアドバイスをくれたり、やる気を引き起こしてくれるはずです。また家族や友人などの信頼できる人に話をするだけで、心のモヤモヤが解消することもあるでしょう。
内定がもらえたことによって、他の業界が気になったりもっと自分に適した環境の職場を見つけることもあるでしょう。その場合、具体的なプランと強い信念さえあれば、思いきって内定を辞退する道を選んでも良いと思います。
もちろんリスクは生じるのである程度の覚悟や準備は必要ですが、自分の目指したいことや方向性が定まったのであれば、気持ちを切り替えて新たな道を切り拓いていってみてはいかがでしょうか。
受付事務は様々な業界で活躍することができるため、基本的な仕事内容は同じでも、得られる知識やスキルはそれぞれのジャンルによって、多種多様であるといえます。
まだ内定がもらえていなくても募集をしている企業もあったり、例年よりも就活のスケジュールが遅れている企業もあります。最後まで諦めず、自分らしく働ける職場を見つけてみてくださいね。