受付は来訪者の対応を行う仕事です。ただ受付カウンターで来訪者とやりとりを行うだけでなく、応接室にご案内したりお茶出しをすることもあるため、受付対応に関するビジネスマナーは知っておく必要があります。
今回は、そんな受付対応の一連の流れやマナーについて解説します。
来訪者の受付対応は、
①事前準備
②来訪者の受付
③応接室にご案内
④お茶出し
⑤お見送り
が一連の流れとなります。受付カウンターで来訪者の対応をした後、応接室にご案内する必要がある場合、事前準備からお見送りまでの業務を受付が行います。
所作や立ち居振る舞いにも気を配り、正しいビジネスマナーが求められるでしょう。
事前準備は来訪者をお迎えするために、欠かせない大切な業務です。まずは、来訪者の名前や企業名、人数、日時、目的などを正しく把握しておきましょう。
次に、応接室や会議室の掃除や片付けを行なったり、テーブルや椅子を人数分用意しておきます。必要な書類や備品があれば、それらも忘れずに準備しておきましょう。空調や照明なども、正常に使用できる状態であるかをチェックすることも大切です。
衛生面の配慮としては、換気をしたりアルコール消毒を準備しておき、来訪者が安心して利用できる空間作りを意識する必要があります。
来訪者がいらっしゃった時は、目を見て笑顔であいさつをします。「いらっしゃいませ」「おはようございます」と声をかけてから、来訪者のアポの確認をしましょう。アポの確認がとれたら「お待ちしておりました」と伝え、受付の手続きを済ました後、ご案内を行います。
アポがない場合は、来訪者の名前や用件を聞き、「確認いたしますので、少々お待ちください」と来訪者に伝えてから、担当者に確認をします。取り次ぎを行わない場合は、「大変恐れ入りますが、お約束がない方との取り次ぎはできかねます。事前にお約束をした上で、改めてお越しください」と丁寧にお断りするようにしましょう。
行き先を告げて、来訪者の2〜3歩斜め前に立って、歩調を合わせることを意識してご案内します。エレベーターを使用する際は、先に乗って「開く」ボタンを押して来訪者に入ってもらいます。
エレベーターに人が乗っている場合は、先に来訪者に入ってもらうように促しましょう。降りる時は、「開く」ボタンを押して、先に来訪者に降りてもらいます。
入室する時は、ノックをしてから部屋に入ります。押して開けるドアの場合は案内する方が先に入り、引いて開けるドアの場合は来訪者に先に入ってもらうようにしましょう。
部屋に入ったら、上座に来訪者を案内して「おかけになってお待ちください」と声をかけて座ってもらいます。
来訪者の案内を終えたら、担当者に連絡をして、お茶出しの準備に取りかかります。お茶だしをする人数分の茶碗を用意して、お茶を淹れます。だいたい7〜8分目まで注ぐようにしましょう。
運ぶ時は、お盆の上に茶碗と茶托を乗せて慎重に運びます。入室する際はノックをして、「失礼します」と言ってから入るようにしましょう。
お茶を出す時は、テーブルの上にお盆を置き、茶托の上に茶碗をセットしてから、来訪者(上座)から出します。基本的には右側から出して右側に置くことがマナーとされていますが、その時の状況に応じて臨機応変に対応します。「こちらから失礼します」とお声がけすると良いでしょう。
商談や会議が長引く場合、1時間〜1時間半を目安に新しいお茶に取り替える必要があります。もし、コーヒーや紅茶などの別の飲み物を出せる場合は、希望を聞くのも良いでしょう。
エレベーターの前までお見送りをする際は、エレベーターの上下ボタンを押し、エレベーターが来るのを待ちます。
エレベーターが到着してドアが開いたら、「本日はご足労いただきありがとうございました」「本日はお忙しい中、ありがとうございました」とお礼を伝えてから一礼をし、お見送りをします。ドアが閉まるまでは、お辞儀をしたままの状態をキープしましょう。
玄関までお見送りをする場合は、来訪者を玄関まで案内し、立ち止まってお礼のあいさつをします。お見送りをしてすぐに戻るのではなく、来訪者の姿が見えなくなるまで見送るのがマナーです。
来訪者が車で来ていた場合は、車までお見送りをします。お礼のあいさつをして、来訪者が車に乗ったあとお辞儀をして、車が見えなくなるまで気を抜かずにお見送りをしましょう。
受付の対応は、細やかな配慮やおもてなしの気持ちをもつことが大切です。受付カウンターで対応する以外にも、ご案内やお茶出し、お見送りまでの業務を担当することも多いため、失礼のないように丁寧に対応できるようにしておきましょう。