クリニック受付は幅広い年代の女性が活躍しているお仕事です。「医療事務」とも言いますよね。そんなクリニック受付はどんなお仕事なのでしょうか?窓口業務以外の仕事内容や、医療に携わる一員としての大変な点ややりがいについてもご紹介します。
クリニック受付は来院された患者さんの受付を行います。通院している方なら診察券を提示してもらい、初診の方なら問診票に記入をしてもらいます。保険証の確認も忘れずに行います。どのような症状があるのかもあわせて確認をし、診察の順番が来るまで待合室で待ってもらうように声をかけるのが一連の流れです。初診の方はレセコン(レセプトコンピューター)と呼ばれる医事コンピューターに患者情報を入力しカルテの作成を行い、再診の方は保険証に変更がないかをチェックします。
感染対策としては検温をしたり感染症の疑いがないかの確認を、受付時にする場合もあるでしょう。
診察が終わった患者さんの診療内容をレセコンに入力をします。医療費は自動で計算されるので必要な書類が整い次第、会計をします。ミスのないように正確な情報を入力することが求められます。
会計の際には処方箋を渡すことと、診察券や保険証などのお預かりしているものを渡すことも忘れないようにします。「お大事に」と声をかけ、最後まで気持ちよく患者さん対応を行うことが大切です。
クリニック受付ならではといえるのが、レセプト(診療報酬明細書)業務です。保険が適用されるクリニックでは、患者さんから医療費の一部を支払ってもらい、残りは審査支払機関にオンラインか電子媒体で提出して請求をする必要があります。これを月末から翌月10日までに行わなくてはいけないため、クリニック受付の仕事の中で大変な作業ともいわれています。
もし間違いがあると返戻や減点されることもあるため、慎重に業務を進めなくてはいけません。
クリニック受付では気持ちよく患者さんに利用してもらうために、クリニックの掃除や衛生管理にも気を配る必要があります。特にトイレなどの水回りは清潔に保つことが求められます。また感染対策としてアルコール消毒液の設置や、クリニック内の消毒もこまめに行います。
クリニック受付は毎日様々な患者さんが来院されます。クリニックの診療科目によっても異なりますが、どの患者さんも不安な気持ちを抱いて来院されることがほとんどです。そのような患者さんに対して、やさしく丁寧に対応することが受付には求められます。
患者さんの痛みや不調を直接取り除くことはできなくても、笑顔で対応をしたりちょっとした気遣いによって、人の役に立てることが受付の仕事のやりがいにつながる部分といえるでしょう。
クリニックで働くと医療事務の知識を身に付けることができます。レセプトなどの専門的な知識は、クリニック受付として働かないと学べないこと。資格の勉強をすれば学ぶことは可能だとしても、実際に働いてみないと理解できないことも多いため、専門的な知識が身に付くことにやりがいを感じられるでしょう。
地域に根付いたクリニックだと、通院される患者さんとは顔馴染みになることができます。そうすると患者さんの方から声を掛けてもらったり顔を覚えてもらったりと、可愛がられる存在となるでしょう。
たとえば内科や小児科の場合、インフルエンザや風邪が流行する冬場は非常に混雑します。耳鼻科の場合は、花粉症シーズンの2〜4月は患者さんが一気に増える時期となるでしょう。そうすると多くのクリニックでは予約システムを取り入れているものの、どうしても診察時間内に終わらず、残業が発生してしまうことも。
自分の都合で業務を終わらせることはできず、最後の患者さんが帰るまでは必然的に残業をしなくてはいけなくなります。
クリニック受付は患者さんの受付と会計が主な仕事になりますが、医療現場という点では様々な面での配慮や意識しなくてはいけないことも多いでしょう。特にコロナ禍における医療現場は常にひっ迫した状態が続いており、受付もその影響を受けています。
また受付時に患者さんの検温や手指消毒を行ったり、やるべき業務が増えたことに加えて、自分自身も感染のリスクがあることを意識して仕事をしなくてはいけません。医療現場で働く一員としての大変さを感じる部分でしょう。
クリニック受付は不安を抱えながら来院される患者さんに、安心感を与えられる存在でなくてはいけません。治療をしたり症状を改善するのは医者や看護師ですが、受付は診察以外を対応します。患者さんがちょっとしたやりとりでリラックスができたり、世間話で笑顔になれたりと、受付だからこそできる役割というものがあります。
クリニック受付では、人の役に立つ仕事がしてみたい人や、「ありがとう」と感謝される仕事に興味がある人にぴったりの職業といえるでしょう。
一日に何十人という数の患者さんの対応をするため、クリニック受付にはコミュニケーション能力が求められます。誰とでもすぐに打ち解けられる人や笑顔でやりとりができる人は、クリニック受付に向いているでしょう。
クリニック受付ではPCスキルも必要になります。ただスキルといっても、タイピングが正確に行える程度でOK。ブラインドタッチができたりレセコンを使用した経験があれば採用に有利にはなりますが、働きながら覚えていくこともできるので、最低限のPCスキルさえあれば問題ないでしょう。
クリニック受付は医療に関わる仕事ということもあり、大変な部分もありますが女性が活躍しやすい職業でもあります。医療事務の知識を身に付ければ、たとえ引っ越しをして環境が変わったり、結婚や出産をしてライフステージが変化しても働きやすい職種です。
資格がなくても働けるクリニックは多いので、長く続けやすいクリニック受付のお仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?