受付では笑顔で丁寧な対応をすることが望ましいですが、どのような来客対応マナーがふさわしいのでしょうか?基本となる話し方からできると喜ばれるマナーまで、受付で働く人に役立つ情報をご紹介します。
受付の来客対応では「聞き取りやすい丁寧な口調」を心がける必要があります。早口になったりだらだらとした話し方ではなく、ハキハキとした口調が理想です。声も低すぎると愛想を感じられないためいつもよりトーンを上げて、来訪者が聞き取りやすい声を意識するようにしましょう。特に最近ではマスクを着用しているため、どうしても声がこもって聞き取りづらくなります。いつもよりも大きめの声で話す方が良いでしょう。
またビジネスマナーとして敬語は必須です。タメ口や間違った敬語は、受付として恥ずかしい姿をさらしてしまいます。受付の仕事でよく使用される敬語を覚えて、好感の持てる話し方をマスターしましょう。
受付の仕事に笑顔は欠かせません。無愛想な表情では来訪者を不快な気持ちにさせてしまうと同時に、企業や店のイメージダウンにもなりかねません。
そんな受付の笑顔は、「口角を上げて微笑むこと」が基本の表情です。大きな口をあけて満面の笑みをつくるというのではなく、上品な笑顔を意識しましょう。来訪者の緊張を和らげるような優しい表情がポイントです。
また口だけ微笑んでいても目が笑っていない人も多いため、目の表情も意識する必要があります。やや目尻を下げてリラックスした表情を作れるようにしましょう。
受付では一日に何十人という数の来訪者の対応をしなくてはいけないため、どうしても機械的になってしまいます。ですがそのような対応で、心からのおもてなしや気配りが伝わるとは思えませんよね。
それを防ぐためには、いつもの言葉に一言添えることを意識してみましょう。
たとえば、
「恐れ入りますが」
「ご足労おかけして」
「お手数をおかけしますが」
「失礼ですが」
「あいにく」
「差し支えなければ」
などのクッション言葉は、受付の対応で使える便利な言葉です。ストレートに伝えると強すぎる言い回しも、クッション言葉を用いることで少しやわらかな印象になりますよね。来訪者とのやりとりの中で自然に使えるように、様々なクッション言葉を知っておくと安心です。
来訪者が名前や会社名を述べた後、「株式会社◯◯の鈴木様ですね。いつもお世話になっております」と復唱すると好印象を持たれます。間違いを防ぐことにもなり、丁寧な対応をすることにつながるでしょう。
美容室やエステサロンの受付の場合は、お客様の名前と予約時間を伝えるようにしましょう。
受付の仕事によっては会議室や応接室の準備をすることもあります。その場合、常に清潔感のある雰囲気で快適に過ごせる環境を整えておくことが求められます。
机はキレイに拭いて床にごみが落ちていないかチェックをしたり、部屋の室温は適温かどうかも事前に確認しておきましょう。窓を開けたり空調を調節して、来訪者をおもてなす準備をすることが大切です。
来訪者を案内する際には、歩くペースを合わせることがマナーです。スタスタと早足で歩いたり、来訪者を先に歩かせるようなことのないように気を付けましょう。来訪者より少し前に立ち、できるだけ同じくらいのペースで歩くことが理想です。
エスカレーターに乗る場合、昇りなら案内する側は後ろに立つことがマナーとされています。「お足元にご注意ください」と声をかけると親切です。降りる場合は、案内する側が先に乗ります。その際には「お先に失礼します」と一言声をかけるようにしましょう。
また案内する前には必ず「どこに向かっているのか?」ということを伝えてからご案内することも忘れないようにしたいですね。
ビジネスシーンで覚えておきたいことが、上座や下座について。受付ではエレベーターに乗る時や応接室に案内する際に必要となるでしょう。エレベーターの上座は入って左奥となり、下座は操作盤の前になります。
また応接室では出入り口付近から一番離れた席を案内するようにしてください。
受付は企業や店の顔として丁寧な対応をすることが求められます。失礼のないように、来客対応マナーをしっかりと身に付けておきたいですね。ぜひご参考にしてみてください。