受付の取次(とりつぎ)マナーとよくあるトラブル

受付の取次(とりつぎ)マナーとよくあるトラブル
 
受付の来客対応の中には、取次と呼ばれる大切な業務があります。取次マナーを知っておかないと、来訪者をお迎えする上で、失礼な対応をしてしまったり、不快な思いをさせてしまうこともあるため、受付として働くならしっかり習得しておきたいこと。
今回は、受付の取次マナーとトラブル時の対処法についてご紹介します。
 
 

 
 

1、取次(とりつぎ)とは?

受付の取次(とりつぎ)マナーとよくあるトラブル
ビジネスシーンにおける取次は、「連絡する」「仲介する」という意味で使われています。受付では来訪者を担当者に電話で取り次いだり、直接案内をして取り次ぐ場合もあります。
取次は、相手の名前や企業名、用件などを聞き、取り次ぐ相手に正しく伝達しなくてはいけません。
また、取次をする際には、言葉遣いや立ち居振る舞いなどにも気を配り、高いビジネスマナーが求められます。
 
 

2、よくある取次のトラブル

アポなしの来訪者の対応

基本的に受付が取次を行う時は、アポがある人をご案内します。ただ、「近くに寄ったから」という理由でアポなしで尋ねてくる人や、飛び込み営業をする人もいるため、臨機応変に対応する必要があります。
その場合は、まず「本日はお約束されていますか?」とアポの確認をし、アポを取っていない場合は、担当者に取次してもいいかを確認しましょう。
許可が出た場合は取次を、対応できない場合は「申し訳ございませんが、後日お約束をされた上でご来社ください」と丁重に断ります。
 

アポがあるのに担当者が不在

アポがあるにも関わらず、担当者が不在の場合、来訪者には誠意をもって対応しなくてはいけません。担当者の直前のスケジュールが長引いて、予定の時刻に間に合わない場合は、応接室にご案内し、「申し訳ございませんが、あと◯分ほどこちらでお待ちください」と伝えて待ってもらうようにしましょう。
もし、担当者がアポがあることを忘れて別の予定を入れていたり、不在の場合は、「大変申し訳ございません」と丁寧にお詫びの言葉を伝える必要があります。
 

担当者がなかなか現れない

来訪者を案内し、お待ちいただく旨を伝えたものの、担当者がなかなか現れないケースもあります。5分以上待っても担当者が現れない場合は、再度取次を行いましょう。「お客様がお待ちです」と伝え、すぐに対応してもらうように促す必要があります。
来訪者には、「アポがあるのに別件を優先している」と思われてしまうため、電話や急なトラブルを理由にするのが無難です。
その際は「大変申し訳ございません。電話が長引いておりますので、もうしばらくお待ちください」と声をかけ、来訪者を放置することのないように気をつけましょう。
 
 

3、取次する時のマナー

取次の基本マナー

①来訪者の名前・企業名を聞く
②アポの有無を確認する
③担当者に取り次ぐ
④ご案内をする
 

ご案内のマナー

①来訪者に行き先を告げる(応接室、会議室など)
②来訪者の2〜3歩前を歩く
③エレベーターに乗る時は、自分が先に入って来訪者に乗ってもらう(中に人がいる場合は来訪者に先に乗ってもらう)
④エレベーターから降りる時は、来訪者に先に降りてもらう
⑤部屋に入る時はノックをして中の様子を確認する
⑥部屋に入ったら、上座を案内する(入り口から見て一番奥の席)
⑦担当者に取り次ぐ
⑧全員が揃ったらお茶出しをする
 
受付が来訪者をご案内する場合、まずは行き先を伝えて、来訪者の2〜3歩前の位置に立ち、歩くスピードや距離感に気遣いながら歩きます。エレベータの乗り降りもマナーがあるため、注意しましょう。
部屋に入ったら、来訪者はお客様なので上座にご案内します。「奥の席におかけになってお待ちください」と声をかけると丁寧です。
担当者に取次をして、部屋に全員が揃ったらお茶出しの準備をして、会話の邪魔にならないように上座から順番にお茶を出します。基本は右側から出すのがマナーですが、状況に応じて臨機応変に対応し「こちらから失礼します」と声をかけて丁寧に行いましょう。
 
 

4、まとめ

受付の取次(とりつぎ)マナーとよくあるトラブル
受付が取次を行う時は、来訪者をおもてなしする気持ちをもって、丁寧に対応する必要があります。イレギュラーな事態が発生した時も、落ち着いて冷静な判断ができるようにしましょう。
一つ一つの所作や言葉遣いなど、細かな部分にまで配慮して、来訪者をお迎えできるように心がけたいですね。