企業受付の面接対策をする時は、面接官にどんなことを質問されるかを想定し、シミュレーションしておく必要があります。対策を入念にしておけば、緊張することなく冷静に面接を受けることができるため、余裕を持って準備しておきましょう。
今回は、企業受付の面接対策について詳しく解説します。質問の回答例もあるため、ぜひチェックしてみてくださいね。
企業受付には、コミュニケーション能力が必須です。面接では、「笑顔で会話ができるか」「円滑にコミュニケーションが取れるか」という部分を見られています。
面接官に好印象を与えるためには、明るくハキハキとした受け答えを意識しましょう。
企業受付は、清潔感のある身だしなみが求められます。「企業の顔としてふさわしい身だしなみか」「清潔感のある雰囲気か」など、身だしなみに関するチェックは厳しいでしょう。
企業イメージに合うメイクや髪型を意識して、清潔感のある身だしなみを心がけることが大切です。
企業受付の仕事は、言葉遣いや話し方にも気を配らないといけません。
言葉遣いは、「敬語が正しく使えているか」「不適切な言葉を使っていないか」など、ビジネスシーンにふさわしい言葉の使い方ができているかをチェックされています。
話し方は、「早口ではないか」「高圧的な言い方をしていないか」「丁寧な口調か」など、話すスピードや口調を見られています。
応募者の基本情報を知るための質問です。第一印象を決める大切な瞬間なので、明るく元気よく答えましょう。自己紹介は、名前だけではなく、軽く志望動機についても触れて、30秒ほどにまとめるのが理想です。
<回答例>
「◯◯(フルネーム)と申します。本日は、貴重なお時間をいただきありがとうございます。私はクリニックの受付を4年間しており、さらなるステップアップを目指して、御社の企業受付を志望いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。」
志望動機では、「なぜ働きたいと思ったのか」を答えます。応募先の企業を選んだ理由や、企業受付を目指したきっかけを答えて、働く熱意をアピールすることが肝心です。
<回答例>
「前職は企業の総合受付として勤務していました。私が御社を志した理由は、受付業務の必要性や将来性についての考え方に共感したためです。受付は企業の顔としての役割があり、求められるスキルも完璧でなくてはいけない反面、将来性を感じられない部分があると思います。
しかし御社では、受付の仕事に限らず幅広い業務を担当でき、また勤続年数や能力に応じた評価をされる環境だということを知り、非常に興味を持ちました。
受付として責任を持って業務に取り組みつつ、御社の顔としてお役に立てるような存在を目指したいです」
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自己PRでは、「自分の強み」「スキルや経験」をアピールする必要があります。面接官に、「この人に働いてほしい」と思ってもらえるような自己PRを考えましょう。
自己PRのポイントは、自分の性格で自慢できる部分や長所、過去のアルバイト経験や前職で培ったスキルをもとに、企業受付の仕事で活かせる強みをアピールすることが大切です。
<回答例>
「私は、前職でアパレルの販売員をしておりました。社交的な性格のため、お客様とコミュニケーションを取ることが得意だったので、リピーターの獲得率は店舗で常にトップでした。
コミュニケーション能力は、企業受付で来訪者の対応ややりとりを行う上でなくてはならないスキルだと考えております。御社の受付になれたら、来訪者の方と円滑なコミュニケーションを取り、受付として貢献できる存在になりたいです。」
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企業受付の面接でよく聞かれる、長所と短所は、応募者が自分自身を客観視できているかをチェックする意味があります。客観的な見方ができる人は、仕事をする上で周囲と協力して働くことができ、成長する伸びしろがあると判断されます。
長所と短所を考えるためには、自己分析を行う必要があります。短所についてはネガティブな内容になるため、克服するために努力していることをあわせて回答することがポイントです。
<回答例>
「私は明るく社交的な性格ですが、短所は無理をしすぎてしまう部分です。前職では営業をしていましたが、周りからは人当たりが良いと言われることが多く、営業成績が社内で上位になったこともありました。特に初対面の相手とは笑顔で礼儀正しく接することを第一に考えておりましたので、そのような評価をいただいたのだと思います。
ただ褒められると「もっと頑張ろう」という気持ちに火がついて、無理をしすぎてしまった経験もあります。自分のキャパを超えることを無理にやってしまうと、自分だけではなく周りにも迷惑がかかることがわかりました。求められることに全力を尽くしながらも、自分自身と向き合う時間を作ることを意識しています。」
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応募者の仕事に対しての熱意や、将来性についての考え方を知るための質問です。応募先のキャリアアップの選択肢は、どのような道があるのかを事前に調べておくと答えやすいでしょう。企業受付の仕事に関係のないことや、「転職をするのでは?」と思わせる回答はNGです。
<回答例>
「私は受付の仕事が好きなので、できる限り、受付として多くの人をおもてなしする立場を務めたいと考えております。そして、受付の仕事のやりがいや奥深さなどを、より多くの人に知ってもらうために、いずれは新人教育や受付のスキル向上を図るためのマナー研修の講師などにも携わってみたいと思っています。
御社では、そのような活躍をされる方も多くいらっしゃるので、仕事で身に付けたスキルや経験をもとに働きたいです。」
これまでに「どんなことに一生懸命取り組んだのか」という質問は、応募者の継続力をチェックしています。また、失敗体験に関しては、挫折や困難にどう立ち向かったのかを知るための質問です。
自分が頑張ったと思うことなら、受付に関係のないことでもOK。学生時代の部活動やアルバイト経験でもよいので、努力したことを具体的に答えるようにしましょう。
<回答例>
「大学生の時に始めたカフェのアルバイトを4年間続けたことは、自分にとっての大きな財産です。初めてのアルバイトだったため、最初はミスを連発してしまい、落ち込む日が続くこともありました。
しかし、早く仕事を覚えたかったため、毎日家に帰って復習をしたり、休みの日に様々なカフェを巡って店員の接客や対応を見たりして、努力をした結果、徐々に仕事を覚えて様々な業務を任されるようになりました。その中でも、新メニューの開発に携われたことは、もっとも印象深い出来事の一つです。
困難なことがあっても、諦めない気持ちとポジティブに取り組むことの大切さを学んだため、御社ではアルバイト経験を活かして、一つ一つの仕事に真摯に向き合って働きたいと思います。」
転職を決めた理由や、前職を辞めた理由を聞かれると、ネガティブな内容になりがちなので答えにくいと感じる人も多いと思います。ただ、前向きな理由であればむしろ好印象を与えることができるので、キャリアアップや経験を活かした転職であることを述べましょう。
<回答例>
「前職は、不動産会社の事務をしておりました。基本的な事務作業に加え、営業のサポートもしていたので、契約書の作成やプレゼン資料の作成を担当することもあり、ビジネススキルを身に付けることができました。
ただ、もっと直接的に人とコミュニケーションを取る仕事がしたいと考え、御社の企業受付の仕事を志望いたしました。」
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企業受付の面接では、「最後に質問はありますか?」と面接官に聞かれることがあるため、いくつか聞きたいことを考えておく必要があります。
逆質問は、熱意をアピールできる内容が好ましいため、入社意欲が感じられることを聞くと好感を持たれるでしょう。
・「入社までにやっておくことはありますか?」
・「外国人の方も多いと伺いましたが、1日にどれくらいの人数の方がいらっしゃいますか?」
・「企業受付の仕事で必要なスキルや資格はありますか?」
・「キャリアアップ例を教えていただけますか?」
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企業受付の面接は、「一次面接→二次面接→最終面接」という順番で、合計2〜3回ほど行われることが多いでしょう。
派遣社員の場合は面接ではなく、面談や顔合わせという形式で行われますが、正社員の面接や大手企業の面接の場合は、段階を踏んで最終面接に合格したら採用されます。
一次面接では、志望動機や自己PR、これまでの経験やスキルなどの基本的なことを聞かれます。応募者の人物像を知るための質問が多く、自社の社風や求める人材にマッチするかをチェックしています。
面接官は人事部の面接担当者、配属先の課長などが担当することが多いようです。
二次面接は、面接官の人数が増えたり、部長クラスの人が担当することが多いようです。個人面接以外にも、グループ面接を行うこともあります。
二次面接は、一次面接よりも深掘りした内容や答えにくい内容を聞かれることもあるため、事前の面接対策を入念に行うことが大切です。一次面接と共通する質問をされた場合は、一貫性のある回答を心がけましょう。
最終面接では、役員や社長が面接を行います。これまでの面接でのやりとりを踏まえて、入社意欲を最終確認するための質問が中心になります。キャリアプランについて聞かれることもあるため、具体的な回答ができるようにしておきましょう。
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面接では、働く熱意を伝えることがなによりも大切です。たとえ、緊張してうまく話せなかったり言葉が詰まったりしても、「企業受付の仕事がしたい」という気持ちをアピールするようにしましょう。
そのためには、志望動機を明確にすることがポイントです。企業研究や自己分析をした上で、応募先で働きたい理由を具体的に述べるようにしましょう。
面接の前には、実際のやりとりを想定したシミュレーションをしておくと、落ち着いて面接を受けることができます。
企業受付では、見た目の雰囲気や身だしなみに関する選考基準を設けている場合もあるため。清潔感のある服装を意識するだけで、印象は大きく変わります。
応募先企業のイメージに合う身だしなみを意識したり、実際に企業受付としてそのまま働けるような格好がよいでしょう。
身だしなみに気を使える人だと判断されると、採用される確率も高くなります。
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受付面接で落ちてしまう人と受かるための対策
面接に必要な持ち物の確認は、念入りに行いましょう。履歴書や職務経歴書は必ず必要なものですが、筆記用具、腕時計、スケジュール帳なども持っていくと安心です。メイク道具やヘアブラシなどの、身だしなみを整えるものも持っていきましょう。
持ち物は早めに用意をしておき、何度もチェックすると忘れ物を防ぐことができます。
面接の日付や曜日はしっかり確認しておきましょう。また、面接時間も確認しておき、自宅からかかる時間をふまえて、電車やバスの時刻も調べておくと遅刻する心配もありません。
面接日時はメールや文面で知らされることが多いですが、もし電話や口頭で聞いた場合、聞き間違えている可能性もあります。聞き間違えを防ぐためには、「◯月◯日の、13時からですね」と繰り返して確認しましょう。
面接前はシミュレーションを行って、対策をすることが肝心です。想定される質問にどのように回答するかを考え、実際に声に出して練習するとよいでしょう。
もし、面接官の役をしてくれる人がいたら、よりリアルな面接対策ができます。
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受付の仕事がしたい!未経験者が確認したい、面接の事前準備
面接の入退室のマナーは、緊張しているとつい忘れてしまったり疎かになったりするため、事前に確認をして流れを覚えておきましょう。
<入室>
ドアを3回ノック
↓
「失礼します」と言って入室
↓
後ろ手にならないように、ドアの方に振り返って静かに閉める
↓
面接官の方を向き、お辞儀をする(30度)
↓
イスの横に立つ
↓
「お名前をお願いします」と言われたら名前を名乗り、「本日はどうぞよろしくお願い致します」と言ってからお辞儀をする(45度)
↓
面接官の「おかけください」の指示があってから着席する
<退室>
面接が終わったことを確認したらイスから立って「本日はお時間をいただきありがとうございました」とお辞儀をする(45度)
↓
ドアの前まで進み、面接官の方を向いて、「失礼いたします」と言って一礼してから退室する
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受付の面接で気をつけたいマナーまとめ!訪問・控室・入室・退室の注意点
企業受付の服装は、オフィスカジュアルがよいでしょう。ベーシックカラーのジャケットやパンツスタイル、シャツやカーディガンなどのさわやかな服装が好まれます。
実際の勤務では制服を着用することが多いですが、面接では「受付の仕事ができるような服装」を意識することがポイントです。
企業受付の面接では、ナチュラルで健康的に見えるメイクを意識しましょう。受付は、華やかで派手なイメージを抱く人もいるかもしれませんが、面接では自然体なメイクが基本です。
誰からも好感を持たれるような、ナチュラルメイクで面接に臨みましょう。
ロングヘアの人は、一つにまとめて清潔感を出すことがポイント。顔に髪がかかると、表情が見えないため、必ず顔が見える状態にしておきましょう。髪は巻いてもよいですが、華やかになりすぎないように注意が必要です。
企業受付は、髪色の指定がある場合が多いので、金髪や派手な髪色は避けた方が無難。髪色は、6〜7トーンくらいがよいでしょう。
小物類は、腕時計、アクセサリー、鞄、靴などがありますが、どれも面接の場にマッチするものを選びましょう。カジュアルすぎるものや派手なものは避け、服装と同様、仕事で使えるアイテムを選ぶのがポイントです。
鞄は、履歴書を折らずに入れることができるA4サイズのものが適しています。
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受付面接で気を付けたい小物(時計・鞄・靴など)の選び方
メールの返信は、できるだけ早くするのが社会人のマナーです。応募先企業からメールが届いたら、半日〜1日以内に返信しましょう。返信する時間帯は、応募先企業の就業時間内に送るのがベストです。
現在勤めている会社のメールアドレスを使用することはマナー違反です。メールアドレスは、個人のものを使用しましょう。
応募先企業からのメールに返信する時は、件名をそのまま残した状態がよいため、「Re:」を消さずに返信します。
応募先とのスムーズなやりとりをするためにも、細かな部分にも気を使うようにしましょう。
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【例文あり】受付面接のメール返信マナー
面接結果に関する連絡は、企業によって様々です。「採用の場合のみ連絡」と伝えられていて、連絡がなければ不採用になるため、こちらから電話をかけて合否の問い合わせをするのは避けましょう。
面接結果は、「採用・不採用に関わらず連絡」と伝えられているのにも関わらず、連絡が来ない場合は、電話かメールで問い合わせをします。連絡をする時期は、「◯日以内に連絡します」と言われた期日を過ぎても音沙汰がなければ、問い合わせてみましょう。期日を言われていない場合は、1週間〜10日たったくらいがベストです。
想定していたよりも選考に時間がかかったり、イレギュラーな事態が発生してスケジュールが変更になったりと、連絡が遅くなることもあります。すぐにでも結果を聞きたいところで
すが、気長に待つようにしましょう。
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受付面接後連絡がない時は連絡すべき?連絡の仕方についてもご紹介
企業受付の面接は、事前準備を入念に行うことが大切です。面接対策をしておけば、本番も落ち着いて面接に臨めるため、余裕を持って準備をしておきましょう。